今朝見かけた「林檎翻訳雑記帳」さんの記事「調達先と調達元:翻訳チェッカーについて思うこと」について、少し私なりに考えたことを書きたいと思います。

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たしかにチェッカーによる改悪については、記事に書かれているような畑違いのチェッカーによる誤解が原因のものもあるかもしれませんね。おっしゃるように、MS日本語サイトの「参照元」と「参照先」の定義がそもそも気持ち悪いのですが、MSの用語集を確認してみたところ実際に「dependent」の訳語として「参照先」が登録してありました(MS案件を担当する翻訳者は、仕事でこの用語が出てきたときに、間違っているのではないかということを申し送りで根気よく伝えていくしかないかもしれません)。

もう1つの可能性としては、畑違いとかの問題ではなく、チェッカーさんが「供給元」と「供給先」の対応関係とごっちゃにしたことが考えられます。この場合は、供給「元」がここでいうところの調達「先」になるわけです。

この「元」と「先」は目線をどこに置くかで使い分けないといけないので、注意が必要ですよね(MSサイトの誤訳も元々はこの「使い分け」の意識が欠如していたことが原因じゃないかな、と想像します)。

それと、翻訳/チェックするときに訳語選択で迷ったら、『実際の現場では必ずしも「元」と「先」の前に付く言葉が同じとは限らない』ということもヒントになるかもしれません。

心情的にはどうしても同じ言葉を用いて対にしたくなるのですが、たとえば、「調達元」・「調達先」でいえば、「発注元」・「調達先」とした方がしっくりくるかなと思います。ほかにも、「発注元」は「発注者」や「購入者」などとすることもできますし、「調達先」は「仕入先」などとしてもいいかも。

普段何気なく使っていることばもこのように問題提起されることであらためて考えるいい機会になりますね。

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※元記事に上記のとおりコメントしようかとも思ったのですが、自分の記事に書いた方がチェッカーというお仕事に関する議論を広げるにはいいかなと思い、こうして取り上げました。

チェッカーに関しては、元記事に書いておられるように、私自身もやはり能力の高い方に担当していただきたいと考えています。もしくは、翻訳者へのステップアップを目的とした「修行」的位置付けで翻訳会社が安くチェッカーを募集するのであれば、誤字・脱字などのケアレスミスのチェックに特化した業務とすべきだと思います(翻訳そのもののチェック業務については、別途能力の高い人を用意するということ)。