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さて、「twitterでいつかつぶやいたことある」シリーズが続いていますが、今回もそんな内容です。

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日本語では単数形と複数形を英語ほど明確に書き分けないですよね。ただ、一文字足すだけで表現に奥行や広がりが出る場合もありますね。たとえば、「層」、「陣」、「帯」なんかがそうですね。「客層」とか「教師陣」とか「価格帯」とか。

ほかにも、

「諸」:諸事情、諸国...
「各」:各種、各国...
「方」:先生方、奥様方...
「列」:車列、列強...
「団」:使節団、代表団...
「類」:規格類、鳥類...

など、いろいろと挙げられます。

また、私の扱う文章では「the researchers」という表現がよく出てくるんですが、その研究者らが目的を同じくする集まりだった場合は「研究チーム」とすることもあります。そう考えると、英語の複数形は日本語では何らかのグループとして一塊で捉えることが多いのでしょうか。

英語の複数形を日本語で同じように表そうとして真っ先に思いつくのが、「国々」、「~たち」、「~ら」、「さまざまな」、「多くの」という直接的な表現ですが、上記のような表現をたくさん自分の引き出しに入れておくと日本語の文章に深みが出るかなと思っています(もちろん、直接的な表現も文脈によって効果的な場合がありますよね)。

さらに、人の集まりを「顔触れ」と表現したり、「選手団」とした後に「一行は」と言い換えたり、英語では単に同じことばが繰り返し使われている場合や代名詞が使われている場合でも、日本語では文脈に応じて言い方を変えてみるのもいいですね。

一文字足す以外にも、動詞で「複数形の重み」を表すこともできますね。「並ぶ」は「軒を連ねる」、「集まる」は「一堂に会する」とするなど...

奥行や広がりという観点から言うと、「場」や「面」なんかも。「発表の場」とか「多面的に」とか。「~という点では」というのと「~という面では」というのとではちょっと違います。

話があちこちに飛びましたが、いわゆる「直訳調」か「こなれた文章」かの違いってこういうところにもあるんじゃないかなぁと思います。最近、AIによるニューラル翻訳が話題になっていますが、こういうことばの選択こそ人ならではの感性がものをいう場面ではないでしょうか。

引き出しやポケットにこうした奥行や広がり、重みを感じさせることばをたくさんストックして、いつでも出せるようになりたいな、その場その場でぴったりの表現を使い分けられるようになりたいな、と常々思っています。頭ではわかっていても、いざ原文を目の前にすると横のものを縦に置き換えるのに必死でなかなかその境地に達しないのが悩ましいところですが、それにはやはりインプットしたものを日頃からアウトプットする練習が必要なんでしょうね。