めぐりめぐらせ ~ある翻訳者の関心事~

在宅翻訳歴9年目の「めぐり」と申します。分野は「IT/ビジネス」、言語は「英→日」です。 twitter: @meguri_megurase

カテゴリ: ことば

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皆さんは、「high level」と見て真っ先にどんな訳語を連想しますか?

「高度」、「高水準」、「上層部」などでしょうか?

でもちょっと待ってください。その訳語、文脈に合っていますか?

「high level」は上記のほか、「大まかな」や「概要」という意味でも使われます。

たとえば、「This document provides a high-level view of ~」なら、

「本書では、~の概要を示します(~について概説します)」となります。

わからない単語を辞書で調べるのはもちろんのこと、

「意味を知っているはずなのに、なんとなく文脈に合わないな」と感じたら、

いったん立ち止まって英語サイトをはじめネット上の用例や解説を

調べてみることも大切ですね。

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一時期、この「bae」ということばをFacebookなどでよく目にするようになり、気になって調べてみたことがありました。

「baby」ということばからきたネット・スラングで、「バエ」と読むそうです。

たとえば、「I love you, baby」と恋人や仲のいい友達に言うときに「baby」の変わりにつかったり...といった感じでしょうか。


詳しくはこちらのサイトで↓

欧米で大人気の英単語「bae」って何? 意味や由来も紹介
http://juken.oricon.co.jp/rank_english/news/2049131/


ネット・スラングや略語は辞書に載っていないものも多く、知らないと「???」となりますよね。
SNSの普及で、こういったことばが知らない間にどんどん増えているんだろうなぁ、と想像します。
自分で使うのはもっとハードルが高いですしね。
「lol」(爆笑)なんかも、実際に自分が使うのは気恥ずかしくて、いまだに使ったことがありません。

「IT」(Information Technology)ということば、訳語は「情報技術」ですが、

日本でももうすっかり「IT」で定着したように思います。

では、「ICT」ということばはご存知ですか?

「Information and Communication Technology」(情報通信技術)の略で、

「Communication」という単語が入っていることからもわかるように、

「ITはITでも、その活用範囲としてコミュニケーションも重視していますよ」

ということのようです。

ITもICTも意味はそれほど違わないようですが、

海外ではITよりICTの方が一般的なのだとか。

アルファベットの略語はいろいろあって覚えるのが大変ですが、

ICTもこれからますます目にする機会が増えるかもしれませんね。


▼こちらのサイトでだいたいのイメージがつかめると思います。

「コトバンク - ICT」
https://kotobank.jp/word/ICT-13781

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「opportunity」と見ると、反射的に「機会」や「チャンス」、「可能性」などのポジティブな訳語が頭に浮かびますよね?

某外資系企業でお仕事をしていたとき、明らかに社内で改善が必要な「課題」を表すのに「opportunity」を使っていたんです。

それまで日本企業のものづくりに近いところにいたことが多く、「改善課題」というと「問題点」、「ムリ・ムラ・ムダ」、「非効率的・非生産的」といったネガティブなもの(ストイックというべきか...)だったので、初めて「opportunity」と聞いたときピンときませんでした。

つまり、「改善課題」=「opportunity for improvement」というわけです。

「課題」を「opportunity」と捉えるあたり、さすがポジティブ(楽天的)だなぁと思うわけですが、翻訳のお仕事で「opportunity」と出てきたら「改善機会」とするより「改善課題」と訳した方がしっくりくる(文章が締まる)場合もあるだろうな、と思います。

逆もまたしかり。英訳のとき「課題」ということばがでてきたら「opportunity」と訳せることもあるでしょう。

問題を指摘される側からすれば、「おまえ、それ問題だよ!今すぐ改善しろ!」と頭ごなしに言われるよりは、「もっと良くなるチャンスだよ!君ならできるよ!」と(松岡修三風に)言われる方が、特に海外の人・企業を相手にするときなんかはmotivationにつながるだろうなと思います。

同じ「課題」でも、日本と海外とで捉え方が違うのでおもしろいですよね。


※日本規格協会のページにこんなのがありました↓

「改善課題」
https://shinsaweb.jsa.or.jp/Contents/MS/Process/improvement.html

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今朝7時ごろ散歩に出かけると、すでにあちこちから蝉の元気な声が聞こえていた。

ぐるっと木に囲まれた公園の中や川沿いの並木道などはそれこそ騒々しいほどの大合唱だ。

「こういうの何というんだったかな...」

歩きながら考えていた。

「そうだ、蝉時雨だ」

何年、いや何十年ぶりにこのことばを思い出しただろう。

実際に蝉の声を聴きながらこのことばを意識したのは人生で初めてかもしれない。

「蝉時雨」

その涼やかな語感に、先程まで完全なるノイズだったそれは、

そこはかとなく風情や情緒を感じさせる響きへと変わった。

ことばの持つ力、日本語の美しさをあらためて感じたひとときとなった。

さっき書いた記事「【翻訳】 インプット(読む)とアウトプット(書く)をバランスよく」で「貯金を取り崩す」と書いて、「ん?貯金を”切り崩す”だっけ?」と不安になり、調べてみました。

こちらの記事で詳しく解説されていますが、「取り崩す」が正解のようです。↓

「NHK放送文化研究所 ― 貯金を「切り崩す」「取り崩す」どちらを使うべき?」
http://www.nhk.or.jp/bunken/research/kotoba/20160601_1.html

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昨日から今までたくさん投稿しすぎて、息切れしてきました。
もっといろいろ書きたいことがあるんですが、次々ネタが浮かんできて追いつきません。
もどかしい・゚・(ノД`;)・゚・。

1か月前にブログを始めようと思ったとき、どのブログ・サービスを利用しようかということもですが、情報発信の手段としてTwitterやFacebookなどを利用することも検討しました。

そこで、活発に活動されている産業翻訳者さんたちがそれぞれの媒体をどのように利用されているのかリサーチしようと、いくつかのブログや、オープンにされているTwitter、Facebookの投稿などを拝見しました。

今日見かけた投稿で、ある翻訳者さんが「気使い」という表現を使っておられたんですよね。「気遣い」と書くのが当たり前だと思っていた私は「変換ミスかな?」とも思ったのですが、(複数回使われていたので)どうもひっかかって調べてみました(IMEを使っていますが、「きづかい」で変換しても、ふつう「気使い」は変換候補にないですよね?)。

結論としては、「気づかい」や「気づかう」など名詞・複合語の場合は「遣」で、「きをつかう」の場合は新聞などのメディアでは「使」を使うように決められていて、一般的には「遣」も使われるということのようです。たしかに「気をつかう」は、「気づかい」や「気づかう」とは違うニュアンスで使われることも多いですし、ケースバイケースで使い分ければいいように思います。

このへん、詳しく考察されているサイトがありました。↓

辞書を引こうよ ― ありがち(4) ~使・遣ほか同音同訓異義語~
http://ncode.syosetu.com/n1819bo/16/


あと、読み物としてとてもおもしろかった記事がこちら(おすすめです)。↓

真崎ですよ ― 「気遣う」と「気を使う」は違うって習いました ~電車で優先席と普通席が1席ずつ空いていたらどうするかという質問~
http://masaki-desuyo.hatenadiary.jp/entry/2015/04/20/215146

こちらの記事の「優先席」のくだり、私も「普通席」一択です(←この「一択」という表現も最近けっこう見かけますよね?日本語としては間違っていると思いますが、わかってて使うならいいのかな。普段の仕事では当然使いませんが、若者どうしの会話など、文脈によってはアリかもしれませんよね。)

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ちなみに、Twitterは刹那的過ぎてちょっと私には合わないかな。
SNSは本当に書く人の性格が出てしまいますね。SNSが登場するまでは皆んな大人として取り繕っていた部分までもがだだもれというか...。それこそお互いの「気遣い」が必要だと思います。

「テクノロジー・ハラスメント」または「テクニカル・ハラスメント」、略して「テクハラ」ということば、私は初めて聞きました。

コトバンクによると、「ITに疎く、コンピューターなどハイテク機器の扱いが苦手な人へのいじめ・嫌がらせのこと」だそうです。

何かと「ハラスメント」を付けて批判する風潮は好きになれませんが、確かに企業内などでそういうシチュエーションはあるだろうなと思います。

Googleで「テクノロジー・ハラスメント」が一番古く登場するのはいつか調べてみたら、2009年6月でした。

それ以前は「テクハラ」といえば、「テクスチュアル・ハラスメント」だったようです。

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